【漫画家志望】投稿・持ち込み体験記③-2【初めての東京持ち込み編】
これは2007年初頭。寒い時期のお話です。
東京への日帰りでの初持ち込みツアーを計画した僕は当日に向けてそわそわしつつも、新作漫画を描いていました。
いざ東京へ
前回《③-1》で各編集部の持ち込み予約をした後、その持ち込みに向けて描いた新作も完成しました。色んな人に読んでもらいました。講師の先生を含め学校での評判は上々です。←持ち込みにはそこまで関係ないかもしれません。
東京への日帰り持ち込みツアー当日。
新作に加え、前回スカウトキャラバンでボコボコにされた自信作と更に前に描いた作品
合計三作の原稿を入れたプラスチック製でA3サイズの四角い黒いカバンを携えます。(当時は投稿用B4アナログ原稿でしたのでそれが入るカバンを毎日持っていました。)その他の荷物はリュックに。
リュックには、持ち込みに行く雑誌の前日までに買える最新号を詰めます。
一緒に行く友人と合流。
夜はバスの時間までSゼリアで楽しくトークに花を咲かせました。
なんせここから未知の土地に夢と恐怖の雑誌の編集部に道場破りに行くのだから…(大げさ)
今のうちに楽しい時間を。
深夜バスは大阪駅の近くから出発。
早朝に東京は新宿に到着しました。
ここが、東京か…
ケツと腰が痛ぇ…
当時の激安深夜バスを利用したので、めちゃめちゃ身体が痛くなりました。
東京到着
どこのお店もあまり開いていない時間だったので腹ごしらえと時間つぶしのために周辺のMドナルドで朝食です。
ルミネtheよしもとの周辺だったと思います。
お笑いが大好きな僕は「ルミネも行ってみたいなぁ」と思いましたが、あまりにも朝早い時間だったので、まだルミネもやっていません。
基本的に各雑誌の編集部はお昼からです。初めてで数社回る場合は、間の交通手段や移動時間に気をつけましょう。
持ち込みを予約している時間も各々昼過ぎからでした。
確か、まだ7時半とかそんな時間でした。
Mドナルドでやることもないので各々原稿のチェックをします。
さぁまだまだ時間はあります。
時間を潰すことをあまりプランに組み込んでいなかった僕たちは周辺に何があるかも分かっていませんでした。
地図も携帯で見れる範囲です。
乗り換え案内等は駆使していました。
(当時はスマホではなかったので僕は携帯電話を今ほどパソコン的な使い方はしていませんでした。)
近くに映画館があるということでそこに向かいました。
しかし時間表を見てみると、観たい映画は移動時間を考えると時間が無いなぁ〜となり、断念。
初めての東京でしたので、心配性の僕は早め早めに出版社近くまで行きたかったのです。←心配性ならお昼までのプランも考えておけ
友人は元々自由な人なのであまり細かくプランを考えるタイプではありませんので基本的に僕のスケジュールに付き合ってくれました。
近くにあったビリヤード屋さんに寄ったり(ビリヤードをしたかは忘れました)
なんか何をするわけでなく新宿周辺をウロウロしていた記憶です。
行くところがないのでまたも周辺のMドナルドに入ります。
しかしMドがめっちゃ近くにいっぱいあるな〜さすが東京やな〜
と思った記憶が微かにあります。
とにかく二人で喋りもって、初めての東京(の早朝)を堪能した僕たち。
昼前くらいになりました。
ついに友人と別れてそれぞれの出版社に向かいます。
「終わったら○時にここで集合しよう」
集合場所と大体の時間を決めて二人は旅立ちます。
最初の持ち込み予約編集部がある出版社へ
僕は最初に持ち込み予約をしている某週刊誌Jの編集部があるS社に向かいます。
何故か前もって調べていたハズなのに、神保町駅ではなくJR水道橋駅の方が乗り換え的にも距離的にも近い!と思い込み、水道橋を降りて真っ直ぐS社まで歩いて行きました。詳しい人からすると神保町駅につらべればなかなか遠いと思われるかもしれません。
ついにS社のビルに到着です。
ビルを見上げてみます。
すごっ…
綺麗なビルです。しかしそれに驚いたというよりも、ここであの先生方が打ち合わせに訪れたりあの作品の原稿たちが集まり、あの雑誌が作られるのか〜!!というのと
小学生時代から死ぬほど読み返した僕の愛読書の一つ『手塚治虫のまんが専科』に描かれていたような【出版社への漫画原稿の持ち込み】をついに今から僕も体験する時が来た…!!
という感激がいっぺんに降り注いできました。
前回までは大阪まで編集部が来て添削してもらえるというものでしたので、本拠地に乗り込む、いわゆる【出版社への漫画原稿の持ち込み】は初めてのことです。
そして某誌Jは僕の一番の目標であり、前回のスカウトキャラバンで惨敗を喫した雑誌でもあります。
足が震えそうになりました。
震えていたかもしれません。
でも…
やってやる!
自分のやってきたことと原稿を信じます。
約束の時間よりだいぶ早くビルに到着してしまったので
ビルの一階の一部にあった展示物を見ようと足を踏み入れます。
キョロキョロ。
かなり怪しいです。
挙動不審です。
警備員さんがこちらを見ています。
展示物をまともに見れずにそそくさと退散。たったったっ
まだまだ時間があります。
ビルの向かい辺りにタリーズコーヒー(カフェ)がありました。
そこで時間を潰そう。
リュックを背負って、アナログ漫画原稿が入ったA3サイズの四角い黒いケースを持った先ほどの怪しい男(僕)がカフェに入店します。
注文して席に着いたのはいいのですが、なにやら落ち着かない。
何故落ち着かないのか…
ハッ!!!
そうです。周りのお客さんは全てスーツを着ている人たち。
僕だけが浮いています。
そして目の前には超メジャー巨大出版社S社があります。
ということはこのスーツの人たちはS社の人たちではないだろうか!?!?
だとしたら、A3サイズの四角い黒いケースを持った挙動不審な場違いな若者のことは「また今日も性懲りも無くやってきた持ち込みの漫画家志望くんね」
と思っているかもしれないぞ!
絶対見慣れているだろうから!
…と心配性爆発です。
人の目が気になってきてさっきまでのやってやる!感が消え、さらに挙動不審倍増です。あわわ
20分くらいだったでしょうか、謎にしんどい時間を耐え抜き時間になったので店を出ます。
またモードをしっかりと切り替えてビルに戻ります。すたすたすた
やってやる!
やってやるぞォ!
〈③-3につづく〉
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