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〝ギャグマンガ描き〟白川タロイモのブログ

漫画専門学校時代のライバルたちの努力と成果【漫画家志望】

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漫画専門学校、ライバルの思い出

ムンバフェイ_イラスト_漫画家バージョン

おはようございます。

こんにちはこんばんは。

タロイモです!

 

今から15年ほど前

僕は三年制の専門学校漫画学科に通っていました。

 

今回は、その学生生活の中で

悔しいけれど存在していた、そして有難い、認めざるを得ない二人のライバルについての話です。

当時彼らの努力してどんどんレベルアップしていく姿を見て本当に尊敬してました。

 

僕自身が勝っていた負けていたではなく、彼らに対して尊敬/リスペクトがあったためライバルとして書いております。

 

何故ライバルについて今更になって書くかといいますと、今現在漫画家を目指して頑張っている漫画家志望者たちに彼らの活動と成果はなにかしらの参考になると思ったからです。

 

特に初心者さんがプロの漫画家を目指すにあたり、彼らの努力の方向性は見習うべきかなと思うのです。

 

ここでひとつ

万が一、当時いつも一緒にいた仲間たちがこのブログを読んだ場合、誤解を招く可能性があるので一言書かせてください。

いつも一緒にいた仲間たちは「同じ釜の飯を食った〜」的な感覚であり、ライバルとして挙げません。実際に今回の登場人物であるライバルたちに比べると僕が見ていた限り、仲間たちは専門生活三年間で完成させた原稿数が今回挙げる彼らよりも下回ります。そのような点からもあえてライバルとしては挙げておりません。※もちろん同志であり、ライバルという気持ちはありましたが今回はご勘弁を。

 

僕が挙げるライバルは2人。

 

ひとりは天才型

ひとりは努力型

です。

 

以下

天才型Aくんとします。

努力型Bくんとします。

 

天才型ライバルAくんについて

Aくんは見た感じ入学当初から絵を描くこと、そして漫画を描くことにとにかく慣れていました。

既に僕からすると「自分の絵」がありました。

元々たくさん描いていたのでしょう。

彼は当時でいう所謂萌え系の類です。

そして一本一本特別大きなオチを付けずにテンポ良く続いていく形の「4コマ漫画」を描いておりました。

僕は萌え系にほとんど興味がなかったため

彼の描く漫画を読ませてもらうとき、ネタについての面白さは正直理解できなかったのですが

彼の漫画が「巧い」ことはひしひしと伝わってきました。

単純な絵の上手さではなく、とにかくその手の漫画が巧い!完成度高っ!!と感じました。(萌え系でゆるい系4コマ)

当時の学校の授業はほとんどアナログ作業だったので、元々デジタルが得意そうなAくんはつけペンには苦労していたようです。なんか本人がそんなことを言ってた気がします。

でも天才肌なのですぐに慣れていた様子でした。

 

Aくんと僕

なまじっか専門学校生活序盤から僕も担当が付いたり、最終候補まであと一歩という月例賞で名前だけ載ったりと、割と行動派でしたので、彼の凄さについてよくわかるし、どんどん彼のことを認めていく自分がいました。(入学最初は誰が描く人で誰があまり描かない人かわかりませんからね。)

 

Aくんは、年に一度開催される学校の進級・卒業展示会(漫画の学科は漫画原稿を壁にずらっと展示する)で某誌編集さんの目に留まり、一年生の頃から商業誌の担当さんとやりとりを開始していました。

僕の体感から思うに、僕が通っていた学校において一年〜ニ年時の進級展で担当が付くというのは少数派で、結構凄いことだと思っています。他の担当付きの人は僕を含めて投稿や持ち込み活動を個人的に行って別の機会にそれぞれ勝手に担当を付けていたのです。

 

そしてAくんは着々と作品を作り続けて漫画家として、在学中にデビューします。このときは先を越されて悔しかった〜!

彼はたしか二年時には既にデビューしていました。

 

そして、そのまま読切作品が人気となってあれよあれよと連載開始。←詳細は聞いたはずですが忘れたので違ってたらすみません。

 

在学中に連載です。凄すぎます。

まったくジャンルも目指す雑誌も違うけれども

いやぁ〜

焦りましたねぇ〜

在学中デビューというだけでも凄いのに、在学中に連載だなんて…

比べるものではないとはいえ、僕のように他のクラスのみんなも心の中ではやっぱり焦ったのではないでしょうか!?

 

Aくんが早めにデビューしたことで周りは彼を先生師匠とやたら持ち上げ慕う風潮もなんとなくありましたが(当時尖りまくっていたので僕も尊敬とイジリも込みでペンネームで◯◯先生!と呼んでいましたね。嫌味はまったくなく楽しいノリで)彼はまったく天狗になることはなく

いつも変わらず今まで通り僕たちと接してくれていました。

凄い上にいいやつなんです。ほんとに。

 

たしか一度もプライベートで遊ぶことはなかったけれど、ノリがよくて、めちゃくちゃ喋るめちゃくちゃオタクって感じでした。

なのでクラスではAくんも込みで数人で楽しく会話することもありました。

僕はAくんといつも一緒にいる仲間というわけではありませんでしたが、たぶん趣味趣向がそこまで合わないというだけなので。いいやつだし、僕は彼のことを嫌いではありませんでした。

僕に対しても漫画について本音でズバズバ感想等を言ってくれるところ

描きたいもの、表現したいものがまったく違う僕のこともある程度認めてくれていたようだし

なによりも僕は彼の「とにかく描き続けるという行動力」にリスペクトがありました。

 

Aくんの見習うべきところと成功要因

以前こちらの記事にも書いた「天才は努力を努力と思わず努力する」ってやつですね。

www.taroimono.info

 

僕からすればAくんはバケモノ級の天才です

 

そんなAくんの連載作品人気が出てなんと別の連載もスタート!←これはホンマにかなり凄い!!!

コミックスも発売されました。

 

これ全部在学中というのが信じられない!!!!(コミックス発売はもしかしたら卒業後だったかもしれません)

 

その間も彼は学校も休まずにちゃんと出席していたようですが、並行して担当さんとバリバリネームのやり取りしていたに違いありません。

真面目やな〜

 

僕は後半ワケあって学校を休みがちになるので、彼の後半の活動状況をあまり知りません。←全然イジメとかじゃないですよ!僕が漫画等のために逆に学校へあまり行かなくなってしまうのです。自業自得ですがおかげで卒業も大変でした。この話はまた機会があれば!

 

二年、三年とバリバリ担当さんとやりとりしていた僕は、あまり会わなくなるけどその頃には彼のことを大尊敬していたし彼からも僕のことをなんとなく認めてくれている?…そんな発言も記憶の片隅に何回かあり、お互い行動力ある者同士に伝わる「漫画に対する熱さ」みたいな何かを感じていました。

←一方的に僕だけがそう思っていた可能性は捨てきれぬ

 

彼の見習うべきところ、そして成功(この場合はデビューとコミックス発売を言わせていただきます)した要因は

入学前から描いていたであろう絵や漫画を止まらず描きつづけていたことです。

いっぱい描くと共にいっぱい遊んでいっぱいだらけていた自分からすると、Aくんはほんとうにほんとうに漫画を描くのが好きなんやな〜〜と思いました。

 

僕からすると彼はいつだって楽しそうに絵や漫画を描いている様子に見えました。

 

また、ちゃんと狙った雑誌の色の漫画をブレずに描いていたので即戦力だったのでしょうね。

 

僕から見たAくんとの学生生活は

めちゃくちゃ大雑把に書くと

 

同じクラスになり

Aくんが担当付いて

僕が担当付いて

僕が最終候補まであと一歩というのになって

Aくんが先にデビューして

Aくんが連載して

僕が赤塚賞を受賞して

Aくんが連載二本して

Aくんがコミックス出して

僕が卒業後にデビュー

という感じです。

※記憶違いで前後はあるかもです。

 

ただでさえ在学中のデビュー組は少ない中で

雑誌もジャンルも違うけど三年間すべて圧倒的に前を走ってくれていたのがAくんです。

 

当時はまったく意識していなかったといえば嘘になるけれど、そこまでライバルとも思っていなかったし、お互い全然違うものを描いていたのでデビューや連載の衝撃による焦り以外はお〜凄いなぁ〜と素直に思えるものでした。

卒業してすごく刻が経ってから考えてみると

一方的にではありますが、僕からすると先に行ってプロの漫画家としての背中を見せてくれる唯一の存在であったし、自動的に切磋琢磨させてくれた気がします。

 

彼は某掲示板にペンネームでスレも立つ(クラスメイトに教えてもらった)くらいなので、その界隈でらかなり有名な漫画家さんになったわけです。

この記事はある種今更ながらの一方的なリスペクトなのであえて彼のペンネームは出しません。無許可だし。

先述した通り、プライベートで仲がいいというほどではなかったので現在は連絡先も知らんのです。

 

Aくんとの思い出として残っているのは

僕は漫画に全力のつもりで新卒就活する気ゼロだったのに、あるとき色々ワケあって一転、ギリギリになってから急に就活を始めたのです。

そのとき「お前は(就活)しないと思ってた」

なんかがっかり的なことを言ってくれたの

めっちゃ覚えてるしホンマはごっつ嬉しかった!

本人はそこまでのつもりもなく軽く言ったのかもしれませんが、僕にはかなり刺さりました。後悔は何もないけれど、今でもそういう会話があったことだけは覚えています。

僕のことを結果も出している連中の中で漫画に熱い一人として認めてくれていた気がしたのです。考えすぎかもですが。

ごめん!そしてありがとうな!あの後一応やけどデビューだけはしたよ!

 

あまり詳しくないのですが、Aくんは今も人気漫画家として第一線で頑張っていると思います。

がんばってー!!

 

努力型ライバルBくんについて

Bくん完全なる努力型の人です。

こちらもプライベートで遊びに行くほどの仲ではなかったのですが、クラス内ではよく一緒にいて喋る方でした。Aくんと同じ感じの距離感かな。

Bくんが入学以前から漫画を描いていたのかはわかりませんが

はっきり言って最初に読ませてもらったときのBくんはそこまで、漫画が上手ではありませんでした。※あくまでも当時の僕が見た感じです

 

授業中講師の先生による添削中の指摘にも物申してしまう

所謂言い訳しちゃうタイプの子でした。

ところがこの負けん気が成長に繋がる場合があったのです。言い訳くんはフツーはあかんけどね。

 

彼は言い訳だけで終わる男ではなかったのです。

 

言い訳はしつつも先生の指摘課題クリアしていくその姿はまさに「なにクソ根性」の塊!

 

優しい見た目と口調。どちらかといえばひょろひょろしていて、めっちゃ天然で、とても熱い男という感じではないのですが

刻が進むにつれてかなり行動が熱くなっていくのです。

 

Bくんは講師の先生に

ペン入れについて

また、線画についてよく指摘されていたようです。

 

彼が描く漫画はファンタジーもので、少年漫画の中でも更に女性向けもするような感じで、美麗な線画が合う作風でした。

狙っていたのもたしかスクエニ系

 

Bくんは、つけペン(当時アナログ)がどうしても思ったようにはうまくいかず

日々ペン入れの練習をしていたようです。

僕たちが嫌がるような基本の基本をすごく練習していたと思います。

実際に練習痕跡を見たこともあります。

 

BくんはAくんと違って目に見える努力型で

ペン入れが急激に上手くなるわけではないけれど、一年後には見違えるほど綺麗な線、狙ったところに狙った線を引けるようになりました。

 

先生に課題を与えてもらいながら、一年間意識して泥臭い基本的な練習も、投稿持ち込み用の原稿による実践練習も(実践もしているのがミソですね)こなし続けていくことで、Bくんはペン入れにおいて入学時に比べると遥かに上手な狙った線、綺麗な線が引けるようになったのです。

今考えると専門学校の上手な利用の仕方だと思いますね。

 

僕が「めっちゃ線上手になってるやん!」と思ったときがあり、実際言いました。

今回はそのときのことを書いていますが、その後も彼は止まらずに努力を続けていたと思います。※僕らの思う上手いなんてプロからしたらまだまだでしょうから。彼はもっと上手くなりたいと思ってたハズです。

 

たしか二年生のときに、僕はBくんと二人で東京の出版社へ漫画の持ち込みに行ったことがあります。

いずれこちらの体験記のつづきにまた出てくる思います。

www.taroimono.info

 

家が遠くて普段学校外で遊んだりするタイプの友人ではなかったけれど、仲は良かったし、たまたま狙っている各々の雑誌に持って行きたい時期が近かったとかそんな理由で一緒に行った気がします。

一泊二日でした。夜行バスに乗って行きました。

そのときの思い出としては

寝るのはカラオケでいいやと思っていたため、宿を選んでなかったので結局宿探しに歌舞伎町あたりに迷い込んだこと。

そこでどう見てもお金持ってないデカい四角いカバンを持った我々にキャッチが声をかけてきたこと。

帰る前に寄ったサイゼリアでBくんのペン入れに対する努力と熱い思いを聞けたこと。

などがあります。

 

彼がその持ち込みの際に担当編集が付いたかどうかは覚えていないのですが、たしかその後に別件で某誌に担当が付いてネーム作りを頑張っていたと思います。

 

その後も見違えるほど線画がレベルアップし続けていくBくん。

在学中にデビューとはいかなかったけれど、彼の止まらない地道な努力に心打たれていたのは確かです。たしか誰かプロの人のアシスタントするとかしないとか言ってたかな??

当時の僕は下手なりに結果も出ていて、絵の練習よりも、どちらかというと

俺のおもろい漫画を読んでくれ!絶対わかる人はおる!わからん編集はカスや!くらいの気持ちで、根拠ない自信の塊すぎる男でしたから

Bくんの努力とその成果(この場合はペン入れの綺麗さ)を目の当たりにしていくうちに、自分に足りないところでもあったので、彼のことをとても尊敬していました。

 

漫画家志望者が彼を見習うべき点は

弛まぬ努力を続けたところです。

彼は線が上手くなりたい!ペン入れが上手くなりたい!と一つのはっきりとした目標に対して練習し続けた結果、一年経たずして凄まじいレベルアップを成し遂げました。

自分が描きたい絵を描くためのあの努力は尊敬に値するし、同時に基本中の基本だと思います。

 

Bくん。今もどこかで描いてるんかな??

Bくんの努力と進化。近くで見てて結構衝撃でした!

自分ももっと頑張らんとあかんなと思ってました。一緒に持ち込みに行ったのはいい思い出です。

またいつかどこかで会おな!もしデビューしてたら教えてな!

 

まとめ

今回は当時の僕のライバルであるAくんBくんについて書きました。

二人とも共通しているのは「努力をやめない」というところと

「自発的」であるというところです。

自発的に努力して、自発的に作品を完成させて発表

この繰り返しです。

漫画家志望者さんにとって彼らの行動と成果については見習うところもあるのかなぁと思った次第です。

 

学校で話しするだけで二人とも現時点では既に連絡を取り合う仲ではないので、今回の記事を二人が読むことがあるかどうかはわかりません。

Aくんはこの記事を書くにあたってふとペンネームで検索してみたらTwitterアカ見つけました。もし見られたら恥ずかしいな。

 

お二人とも内容にディスの気持ちは一切ありません。

楽しい思い出と共に彼らへのリスペクトを思い出して書きました。

おこがましいかもしれませんが、専門学生のあの頃、僕にとっては彼らがライバルだったと思います。

 

こんなことを言ったら学校関連に怒られるかもしれませんが…

僕は普段、漫画家志望の人に進路の相談をされたときに

漫画系の専門学校についてはぜんぜんオススメしていないのです。

描き方がわからない初心者はいいのですが、既に何作もやっている人たちにとってはビミョ〜と思っています。

基本的な技術と行動力があるなら、その人にとって学校は必ずしも必要とは限らないのではないかな??と。数年分の学費を考えると、道具や環境に投資してバリバリ描きまくって投稿や持ち込みの方がより近道なのでは!?と思ってしまいます。

今ならWEB投稿WEB持ち込みも盛んですからね。

あと、漫画って、最初は誰しも孤独の戦いだと思うんです。

最初からアシスタントとかいないので、まずは自分一人で読切作品を完成させてみることが重要なのかなと思います。

孤独からの不安はわかるのですが、漫画をキーワードに優先的に群れたがる人たちはそもそも何か間違ってない?と思ってしまいます。

切磋琢磨できる環境であればそれもアリだと思います。

 

専門学校は切磋琢磨できるライバルや同志が見つかる可能性があります(あくまでも可能性。描かない人はマジで描かないです)ので、そういうところが学校というものの良さなのかなぁと思います。

 

僕自身はいい同志の友人やライバルたちに出会えたので学校は行ってとても良かったです!

そういう視点では漫画の科がある専門学校もオススメです!

 

最後になりましたが当時講師の先生に薦められて、僕たちの間で話題になっためちゃめちゃ熱いオススメ漫画家漫画をご紹介!どうやら完全版もあるようです。

これ読んで燃えない漫画描きっているのか!?とさえ思ってしまいます。

 

ではまたー!

 

 

 

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